食品工場を設計する際には食の安全性や生産性を確保しつつ、環境問題やSDGsに配慮した設計が重要です。食のイメージに対する世の中の移り変わりや、関連する法律改正にも触れながら、詳しく解説します。
食品工場を含むすべての食品等事業者に義務付けられているHACCP(ハサップ)。
HACCPとは、「Hazard(危害)」「Analysis(分析)」「Critical(重要)」「Control(管理)」「Point(ポイント)」の頭文字を取って作られた言葉で、「危害要因分析重要管理点」という意味になります。
これまでの抜き取り検査と違い、原材料の受入から製造、出荷までのすべての工程ごとにリスク管理を行うため、事故などが発生した場合も迅速に原因究明ができるといわれています。
食品工場において、HACCP準拠や衛生管理の徹底は当然の義務となっているため、食品工場の設計・建設には、HACCPに対応している会社を選ぶと安心です。
食品工場を新築する場合はもちろん、工場の増改築などの場合に不可欠なのが建築士。
建築士の設計力によって、動線がよりスムーズになったり、ゾーニングによって高い衛生管理が実現できたりもするのですが、その分、食品工場の設計は難しいといわれています。
食品工場では、何よりも食の安全や生産性が求められるので、それらをクリアするための機能面を重視しなければなりません。
取り扱う食材によって、ニーズや基準が異なり、求められる要件も変わってくるので、それに対応しながら提案しなければならないからです。
食品工場の設計・建築を依頼する場合、その会社に建築士が在籍していると、コミュニケーションも取りやすく、作業もスムーズになるのでおすすめです。
いまや、食品工場においても、SDGsや環境問題を避けて通ることはできません。
食品工場では、輸送エネルギーを削減する設計をしたり、フロンを使わない冷蔵・冷凍設備を導入したり、食品廃棄物から再生可能エネルギーを作り出したりすることで、SDGsに貢献することができます。
こうした取り組みが、企業の社会的価値にも反映してくるといわれています。
食品工場で使用する設備は、大型で高額なものが多いため、導入後に機材選びの失敗に気づいても、簡単に買い換えることができません。そのため、設備メーカーのテストルームを利用するのがおすすめ。
実際に製品を稼働して、生産スピードや生産量、操作性などをチェックしたり、でき上った製品の見た目や形状、食感などの仕上がり具合を確認することができます。
食材との相性もあるので、テストルームを使用する場合には、自社の食材を持ち込んでチェックするようにしましょう。
原料(農水蓄産物)加工から、惣菜等の加工まで。中~大規模なあらゆる食品工場に向いています。
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調理・加工の補助機器が必要なレストラン・ホテルの厨房、小規模なセントラルキッチンなどに向いています。
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