食品工場で、食品を調理、加工する際に導入されることの多い厨房設備を紹介します。便利で効率的な厨房設備を使用することは、製造業で重要視される「歩留まり」を高めることにもつながります。
揚げ物を作るために必要な業務用フライヤー。短時間で加熱や油温上昇を行い、その調理法に適した油温をキープします。
油を一気に過熱することで、衣はサクサク、中の素材からは水分やうまみを逃さず、ジューシーに仕上げます。
ヒーターよりも下の部分であるコールドゾーンは、油温が低いため対流が起こらず、大きな揚げかすは下に沈んでいきます。
コールドゾーンに揚げかすが溜まっていくので、油が傷みにくく、きれいな状態を保ちます。
業務用オーブンには、自然対流式と強制対流式があります。
熱風を自然な状態で循環させ、じっくりと包み込むように加熱調理するため、食材の中にまでしっかりと火が通ります。
ファンの機構がないので、庫内が広く、熱の伝導が穏やかなため、ケーキを焼いたときに表面が破裂することもありません。
ただし、強制対流式に比べて熱の伝導率が低いので、焼けるのに時間がかかり、焼け具合にムラが出やすくなります。
ファンによって強制的に熱風を循環させるため熱伝導がよく、立ち上がり時間や調理時間が短いのが特長。庫内の温度が一定になるので、焼きムラが少なくなりますが、熱伝導がいいため、温度調節に気を付けないと、ケーキを焼いたときに表面が破裂することがあります。
また、庫内にファンが装備されているため、自然対流式よりも狭くなります。
食品工場で使用されるスライサーには、肉用、野菜用などいろいろな種類があります。
肉類をスライスするミートスライサーは、ハムやチャーシュー、ローストビーフなどの加工肉をスライスするもの、芯温が-3~-2℃の半解凍状態の肉をスライスするものなど、スライスする食材とその温度帯によって種類が異なります。
野菜用のスライサーやカッターは、キャベツの千切りや玉ねぎのみじん切りなど、種類と用途に特化したものや、1台でスライス、千切り、おろしなどに対応できるマルチタイプものがあります。
製造業でよく使われる「歩留まり」とは、生産された製品のうちの良品の割合のことを指し、食品の場合は、可食部の割合と言い換えることができます。
歩留まりは、製造品÷良品数で算出されます。一般的に、歩留まりが高いほど、原料の質が高く、製造工程が優れていると考えられ、歩留まりが低いと不良品が多く、原材料費や製造コストのロスが大きくなるため、製造業者としては、いかに歩留まりを高くして利益を上げるかを考えなければなりません。
食品工場の場合、どうしても商品として出せないロスの部分は生じてしまいます。
しかし、保管の状態や加工の仕方によっては、ロスの部分を減らして歩留まりを高くすることも可能です。
厨房設備は高価なものが多く、なかなか導入に踏み切れないという経営者も多いかもしれませんが、誰でも操作しやすく、ロスが出にくい厨房設備を使用することは、歩留まりを高めることになり、利益を上げることにもつながります。
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