食品工場に導入されることの多い、空調設備、換気設備、衛生設備、低温設備、厨房設備についてまとめています。
取り扱っている食品によっては、室内の温度が高くなったり低くなったりすることで、食味や安全性に問題が生じてしまう可能性があるため、食品工場では、空調による室内環境の調整が重要です。
そして、気を付けたいのがその設置場所。製造ラインの上に設置すると、結露した水が垂れたり、吹き出し口についていた埃が落ちてくることもありますし、メンテンナンスがしづらくなります。
また、常に同じ場所で作業を行う場合、空調の風が当たりすぎないようにする配慮も必要です。
一般的に、食品工場では窓は設置されていません。埃や虫などの侵入の恐れがあるため、窓を開けることはありませんし、窓があることで結露が発生したり、窓枠に埃が溜まったりして、衛生上、問題が生じてしまうからです。
食品工場の内部は、外よりも室内の気圧を高くする「陽圧化」によって清潔さが保たれています。この陽圧化のために欠かせないのが、外部の新鮮な空気を取り込む外調機です。
食品工場で働くスタッフが注意すべきなのが異物混入。それを防ぐため、身だしなみには充分注意する必要があります。
また、近年、食品工場の衛生管理対策としてゾーニングが注目されています。食の安全性を確保するため、衛生レベルに応じて、清潔区域、準清潔区域、汚染区域の3つに分ける方法です。
作業エリアの前に着替えなどを行うサニタリー区域を設置したり、汚染区域から清潔区域への直接移動を禁止して、異物等の侵入を防ぎます。
食品工場で導入されることの多い低温設備。大型で天板が作業スペースにもなる業務用冷蔵庫、-20~-80℃と低温で保管できる業務用冷凍庫、食材を急速冷凍できるフリーザー、食材を均一に、細胞を傷つけずに解凍できる解凍機などがあります。
中でもフリーザーは、エアブラスト、ブライン冷凍、液化ガス冷凍、コンタクト冷凍など、冷凍方式によっていくつかの種類に分けられます。
食品工場で使用される厨房設備には、揚げ物を作るための業務用フライヤーや、自然対流式・強制対流式のオーブン、加工肉や精肉、野菜などをスライスするスライサーなどがあります。
作業を効率化させるこれらの厨房設備は、製造業において重視される「歩留まり」を高めることにも役立ちます。厨房設備は高価なものが多く、イニシャルコストはかかりますが、歩留まりが高くなれば利益も上がるので、長い目で見れば、損はしないかもしれません。
「トンネル式フリーザー」は、食品工場で用いられる急速冷凍設備です。大量の食品を短時間で冷凍可能ですが、機械トラブルで大量の食品ロスに繋がってしまうなどさまざまな注意点がありますので、あらかじめチェックしておくことが必要です。
【食品工場の急速冷凍設備】トンネル式フリーザーについて詳しく見る
工場の人手不足解消につながる可能性のある省人化のメリット・デメリットについて紹介。省人化を行うことによって人手不足解消だけではなく、人件費削減や利益の向上、業務の効率化といったさまざまな効果が期待できます。
設備や設計の面から考える経費削減について紹介。例えば生産性の向上や人件費の削減などに関する検討によって合理的な工場を作ることや、工場のランニングコストの削減を目指していくことになります。
2015年に国連サミットで決定した世界の共通目標、SDGs。すでに日本でも多くの企業が、SDGsの実現に向けて具体的な取り組みを始めています。食品産業も例外ではありません。ビジネスの発展のため、長期的リスクの回避のため、消費者の信頼を獲得するため、食品産業ではSDGsへの取り組みが必須の時代となりました。
食品工場の製造工程では、電気、空調、水、ガスなどの多くのエネルギーが必要となります。コスト削減から収支バランスを改善させるためには、具体的な省エネ対策を実行することも大切です。往々にして食品工場は大規模なので、わずかな努力・工夫で大きな省エネ効果が期待できるものです。
二酸化炭素の排出量が世界で問題となっている昨今、食品工場においてもカーボンニュートラルへの取り組みが求められています。食品工場においては、エネルギー使用量の見える化や省エネ活動の推進といった形で取り組みを行っている企業が多く見られます。こちらの記事では、実際に食品工場でカーボンニュートラルに取り組んだ事例についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
食品工場でできるカーボンニュートラル(脱炭素)への取り組みについて詳しく見る
カーボンニュートラルの取り組みが世界各国で行われている現在、製造業においてはCO₂排出量が実質的にゼロになる取り組みを行う「CO₂ゼロ工場」に注目が集まっています。このような工場においては、エネルギー量全体の削減や化石燃料由来のエネルギーからバイオマス燃料への置き換え、そのほか必要な電力を外部から調達するなどさまざまな取り組みが行われています。
フロンガスはオゾン層破壊に大きな影響を与えることが知られており、現在は特定フロンの廃止、また代替フロンの削減が求められている状況です。その中では、食品工場においてもフロンの抑制に取り組むことが求められています。そこで、取り組みとして考えられる「自然冷媒冷凍庫の導入」などの方法について紹介していきます。
食品工場エンジニアリングでできるフロン抑制について詳しく見る
食品工場で商品を製造する過程においては、どうしても食品残渣が発生します。この食品残渣の廃棄コストは昨今の燃料費高騰などの影響もあり企業の負担となっているケースも見受けられます。そこで、こちらの記事では食品工場エンジニアリングにおいてどのような方法で食品残渣のコスト削減に取り組めるのか、といった点についてまとめています。
食品工場エンジニアリングでできる食品残渣の
コスト削減について詳しく見る
食品工場では多くの排水が生じます。排水の種類や質・量は製造するモノや時期によって変わるため、それぞれに合った排水処理を行わなければなりません。
当然、これら排水処理にはコストがかかるため、現場としては可能な限りのコスト削減を図りたいことでしょう。排水処理のコスト削減に向け、昨今、様々な食品工場エンジニアリングが検討・導入されています。
食品工場エンジニアリングでできる排水処理の
コスト削減について詳しく見る
人手不足の解消に向けて工場の自動化は加速していますが、他産業に比べると食品工場は事例が少ない現状にあります。参考になる事例が少ないため導入が進まないなどのループがある中で食品工場の自動化を進めるためには、異物混入リスクや設置スペースの確保など様々な解消すべき課題があります。最近は、食品工場での作業に適したロボットシステムの開発も進んでいます。
食品工場で使っている機械の入れ替えの時期は、法定耐用年数が目安のひとつです。法定耐用年数は、減価償却をする期間のことです。食品工場で使用される機器は、10年のものが多いです。しかし、法定耐用年数は帳簿上のことで、機械の寿命ではないため、法定耐用年数を超えても使用できます。長く使いたいのでしたら、適切なメンテナンスを行いましょう。
食品工場で起こしてはいけないことのひとつが異物混入です。害虫混入は特に、心理的な拒否感が強く、消費者からも取引先企業からも信頼を失いかねません。害虫対策は、食品工場にとって必須です。侵入を防ぐためには、エアーカーテンやライトトラップの導入がおすすめです。工場内での発生を防ぐためには、日頃の清掃とカビ予防に気をつけましょう。
食品は、部品製造のような規格通りの製品ではありません。機械による外観検査自動化のハードルが高い分野です。しかし、AIによる外観検査でしたら、人間の検査技術を学習できます。人手不足の解消やコスト削減、品質の安定がAI外観検査導入のメリットです。AI外観検査導入時は、専門のエンジニアリング会社への相談をおすすめします。
食品工場で消費者からの信頼を得続ける生産環境や生産性の向上を実現するためには、整理・整頓・清掃・清潔・しつけの「5S」を意識する必要があります。ここではそれぞれの「S」で押さえておかなければいけないポイントやこれらの意識を従業員・現場に根付かせるために気を付けるべき点などを解説しています。
私たちが口にする食品を製造している食品製造工場では、異物混入が工場・メーカーの信頼失墜に直結してしまいます。特に金属異物は口にした消費者に身体的な被害を及ぼすおそれのあるものですので、「混入させない対策」「異物を持ち込ませない対策」「混入した異物を除去するための対策」などと幅広くリスクを防がなくてはいけません。
プロセスセンターとは、複数店舗で販売する生鮮食品をまとめて調理・加工・包装する施設のこと。インストア加工に比べ、作業の効率化や生産性の向上、品質の均一化、リスク管理のしやすさ、人件費削減など、様々なメリットが期待できます。当記事では、プロセスセンターの概要やメリット・デメリット、立ち上げに必要な準備などについてまとめました。
加工から配送まで行うプロセスセンターとは?について詳しく見る
食品工場で導入される自動化ロボットには、箱詰めや包装前の仕分け作業を行う仕分け用ロボットと、梱包した製品をパレットに積み上げる荷積み用ロボットがあります。仕分けロボットは、アームの先端で製品を吸着して整列する役割です。荷積み用ロボットは、重たい荷物を安全に持ち上げることができます。人手不足の解消や生産性向上が実現するロボットです。
排熱利用とは、工場で発生する余剰熱エネルギーを有効活用することを言います。食品工場における排熱利用方法は、主に「蒸気の再利用」「排熱水の活用」「ヒートポンプの利用」です。排熱の再利用で設備稼働を最適化すれば、省エネ・コストダウンにつなげられます。適切な排熱利用を設計するためには、現状の把握が大切です。
食品工場の排熱回収利用による設備の省エネ対策について詳しく見る
スパイラルフリーザーとは、ベルトコンベアがスパイラル(螺旋状)に設置されている冷凍機のこと。食品が縦に移動しながら冷凍されるため、スペースに余裕のない工場でも無理なく導入できる点がメリットです。
バッチ式フリーザーとは、複数の空間に食品を配置したまま冷凍するフリーザー。ベルトコンベアを移動しながら冷凍するタイプではなく、同じ場所に置いた冷凍するタイプのフリーザーです。少量多品種の食品冷凍に適しています。
低温高湿解凍機とは、低温状態を維持しながら水蒸気の潜熱を利用して食品を解凍する解凍機。迅速な解凍とドリップの少ない高品質な解凍を両立させる解凍機として、畜肉や魚介類の解凍を行っている食品工場などでは広く導入されています。
真空調理機とは、食材を真空状態にして包装するための機械のこと。食材と調味料を合わせて真空包装して加熱調理した食品は、病院や介護施設、ファミリーレストランなどで広く利用されています。タイプが色々あるため、自社工場に適した製品を選ぶことが大切です。
真空凍結乾燥機とは、さまざまな食材を真空状態で凍結・乾燥させる機械のこと。加工後の食材は、「フリーズドライ」という名で広く流通しています。フリーズドライ市場の拡大が見込まれる昨今、ぜひ注目したい食品加工機械の一つとなります。
ワゴン台洗浄機とは、食品を運搬するワゴン台をまるごと洗浄する大型の機械のこと。手作業で洗浄する手間と時間が大幅に削減されるため、工場の省力化・省人化に貢献します。洗浄液は不要。肉の脂分まで洗浄できるタイプもあります。
高湿度冷蔵庫とは、安定した湿度を保つことにより生鮮品の品質を保ちやすい冷蔵庫です。ポイントは、加湿ではなく保湿を行うものが多いという点。フルーツなどのデリケートな食品でも干からびさせず、旬の美味しさを維持しやすいといった特徴があります。従来の冷蔵庫よりも導入時のコストがかかるものの、さまざまなメリットが得られる機器となっています。
自動ピザソース塗り機とは、その名の通りピザ生地に塗るための機器です。ピザを作る上で必要となる「ピザソースを均等にまんべんなく塗る」という作業を自動化できるため、人には不可能なスピードで安定的にピザを量産できるといったメリットがあります。このことから、ピザを製造している食品工場においては注目しておきたい機器といえるでしょう。
自動箱詰め装置は、すでに包装されている製品を自動で箱詰めできる機器です。この機器の導入により、作業の効率化や人的なミスの削減、現場の省力化などさまざまなメリットが得られるため、多くの工場で導入されています。特に大量の商品を製造している食品工場などにおいては、出荷時の作業負担を大幅に削減できるため、設備の導入を検討してみるのがおすすめです。
工場や倉庫などにおける状況を遠隔で監視できるシステムを「監視システム」と呼びます。これまで人が監視を行っていた部分にシステムを導入し、異常発生時に担当者に通知を行って食の安全を守ることを目的としています。日本では食品に異常が発生した際に企業に与えるダメージが非常に大きいので、監視システムを導入することにより、リスクの低下に取り組めます。
原料(農水蓄産物)加工から、惣菜等の加工まで。中~大規模なあらゆる食品工場に向いています。
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調理・加工の補助機器が必要なレストラン・ホテルの厨房、小規模なセントラルキッチンなどに向いています。
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食品加工ロボットの導入やIT物流システムなど、特大規模の食品工場などに向いています。
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【サイトに掲載する会社の選定条件】 2021年10月時点、Googleで「食品工場 エンジニアリング」と検索し、検索結果10ページまでに表示された、上位41社をこのサイトに掲載しています。
【詳しく紹介する3社の選定理由】
各社の公式HPに掲載されている情報を調査し、以下の理由で3社を選定しました。
平井カンパニー…厨房やプロセスセンターに特化したサービス、機器を取り扱っている。
フードテクノエンジニアリング…内装工事や増床に必要な一級建築士が在籍しており、設備(機器)の取り扱い種類が最も多い。
鹿島建設…大手ゼネコンの内、厨房、セントラルキッチン、食品工場の建築に関連するサービスがある。