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食品工場における金属異物混入について

食品工場は私たちが口にする食品を製造する施設であり、衛生管理や品質管理が非常に重要です。中でも異物混入は工場やメーカーにおける消費者からの信頼を大きく損なう事故になるものであり、必ず防がなければいけません。ここでは特に危険度の高い金属異物混入の防止に関する基本的な考え方や、金属異物の混入を排除する装置について解説・紹介します。

食品で問題となる金属異物について

異物混入が消費者からの信頼を失うというのは説明した通りですが、中でも金属異物の混入は危険度が高いです。金属異物の混入した食品を口にした消費者は不快に感じるだけでなく口内を切る・歯を破損するなどといった身体的な被害を受ける可能性があるためです。食品への異物混入は飲料や調味料などの液体製品への混入は少ないとされていますが、それらを除き、際立った特徴はありません。また、金属の材質としては鉄やステンレス・アルミニウムなどが多く、設備のパーツが錆で脱落するなどして混入する事例もあります。

金属の混入防止対策の考え方

金属異物の混入についてはまず「入れない管理」を考えなくてはいけません。混入してからどうするかではなく、そもそも混入するリスクを最小限に抑えることが一番重要と言っても過言ではありません。設備はきちんとメンテナンスする、混入リスクのある素材・備品は使用しないなどといった基本的な考え方が必要です。また、工場内に不要なものを持ち込まない、混入した場合に取り除くための管理を行うということも考えておかなければいけません。

入れない管理

入れない管理自体については先述した通りですが、まずは現場内で混入するリスクの洗い出しを行っておく必要があります。使用している設備にはどのようなパーツが使われていてどれが取り外しできるのか、また備品は劣化するとどういう状態になって異物混入のリスクが出るのかなどをしっかりと認識しておきましょう。設備についてはきちんとメンテナンスを行うとともに、メンテナンス時にも金属粉がでるなどのリスクにも十分留意する必要があります。そして備品も含めた取り扱いとしては、生産前後に「あるべきものがきちんとあるべき場所・部分にあるか」を確認して異物混入の可能性を早急に察知できるようにしておく必要もあります。

持ち込まない管理

混入する異物をそもそも工場に持ち込まなければ異物混入が起こらないというのは当たり前の話です。しかし工場内には従業員や外部業者など複数の人間が出入りすることになりますので、金属異物となり得るものが持ち込まれる可能性は十分にあります。とはいえそのリスクを最小限に抑えることは間違いなく重要ですので、作業者が工場内に持ち込む物品に制限をかけるなどして予防する必要があります。また、納品業者や配送業者、設備管理・工事業者など外部の人間が出入りすることもありますので、持ち込み制限や立ち入れる場所を決めておくなどの工夫をするようにしましょう。

自社にあった異物除去装置の導入を検討する

金属異物の混入を防ぐこと、そして異物となるものを持ち込まないことの重要性はここまで述べた通りですが、この対策によって安心しきることはとても危険です。やはりどんな事業にもリスクはありますし、人間が関与して作業するからには一定のエラーリスクはあります。従って次に考えるべきは「異物が入った時に発見して除去する」ことです。ここではその対策の一つとして、異物除去装置について紹介します。

ろ過装置

ろ過装置は液体や粉体の原材料・製品を細かいメッシュに通す事で異物を除去する装置です。このメッシュのサイズで除去できる異物の大きさが変わりますが、ろ過装置を使用する飲料などの食品においては異物混入の報告が少ないと言われています。メッシュが細かくなると異物を除去できる可能性が高まる反面、押し出す圧力が必要になるとともに固形の具材が用いられている製品に使用することが難しくなります。また、メッシュそのものが損傷していると機能しなくなるため、管理・確認は行わなければいけません。

マグネット

マグネットとはその言葉通り磁石のことであり、金属の異物を除去することを目的として生産ラインにマグネットを組み込んだ装置を意味します。棒状のマグネットを手作業で原材料などにくぐらせる検査方法も行うことがあり、主として永久磁石を使用します。しかし高温にさらされるなどの使用状況によっては磁力の低下を招く場合があり、一年に一度など定期的に磁力検査を行って必要な能力が維持されているかを確認する必要があります。また、清掃時における金属粉除去なども重要であるため、付着した金属片は十分に排除しなければ再混入の恐れもあります。

金属検出機

金属検出機は多くのメーカーで採用されている検査装置ですが、有効に活用するためには原理を十分に理解しておく必要があります。メカニズムとしては装置内に製品を通過させた際に金属が含まれていると、受信コイルが検出できる仕組みになっています。パッケージにアルミなどを使用している場合や段ボールごとで検知する場合など、その製品の形態によって検査精度が変わりますので留意が必要です。また、検知した場合にはアーム式やエア式による除去、コンベアベルトが停止する方式などさまざまな形で異物の排除を行います。

X線異物検出機

コンベアで流れて来る食品に対してX線を照射し、透過レベルをセンサーで測定する装置です。測定した信号を解析することで異物の混入を検出しますが、金属検出器とは仕組みが異なるためアルミ蒸着法材製品にも使用することが可能です。また、水分や塩分などの影響も受けずに金属以外の硬貨異物の検出をすることも可能ではありますが、金属検出機の方が精度が高い点・導入コストと維持コストがかかる点などから金属検出機ほどは普及していません。

自社製品に合った設備の導入を

最近ではさまざまな設備・機器が登場しており、その機能も豊富です。しかし中には自社の工場設備には適していない不要な機能が備わっているものもありますし、逆に必要な機能が備わっていない可能性もあります。やはり自社の製品に適した機器・装置を選択することが重要ですので、豊富な知識やノウハウを持っている食品工場エンジニアリング会社に相談することも検討してみてはいかがでしょうか。このサイトではさまざまな業者を紹介していますので、ぜひチェックして下さい。

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