こちらのページでは、食品工場における経費削減の方法についてまとめています。設備や設計の面から、どのような経費削減が考えられるのかを見ていきましょう。
まず、合理的な工場を作るためにはどのようなポイントを押さえたら良いのか、という点について考えてみましょう。ここでは、生産性の向上や人件費について、工場内の移動方法などについての考え方をまとめました。
合理的な工場を作るためには、まず生産性の向上や人件費の削減ができるかどうかを検討する必要があります。食品工場の場合には、生産性向上を目指す場合には原材料の入荷〜製品出荷という工程における動線を検討することがポイントとなってきます。そのためにも、工場を建設する際に入出荷の動線を可能な限り短縮して効率化を図りましょう。
すなわち無駄な動きを無くし効率を良くすることによって、生産性の向上や人件費の削減につなげられます。これは1人の従業員が1日で動く距離が短くなることにより、費用の削減に繋げられる可能性があるためです。
食品工場にはさまざまな種類があります。それぞれの施設によってどのような製品を取り扱っているか変わってきますし、工場によっては1階から2階へ、といったように上下の移動が必要になる場合もあるでしょう。
ただ、合理的な工場を作るためには、業務の内容に応じた移動方法を選択することが必要となってきます。そこで考えたいのが、1階と2階の間をどのように移動するのかという点。例えば、エレベーターやフォークリフト、垂直輸送機などが挙げられますので、工場を建築する際によく検討し、選定を行ってください。
生産においてどのような機器を使用するのか、という点も合理的な工場を作る上では重要なポイントとなってきます。
工場で導入する生産機器によっては、税制の優遇措置を受けられたり、補助金を利用できるものもありますので、こういった面についても考慮しながら機器を選ぶことでコストダウンに繋げられるといったケースもあります。
また、機器を導入して自動化を行って人件費を削減できるといった面もありますので、コストダウンを意識した工場を作るためには重視しておきたい点であるといえるでしょう。
上水道の利用料金削減の方法を模索していた某・大手食品工場。新工場の建設にあわせ、水源確保・管理を専門とするミズカラ株式会社に相談し、井戸関連会社の協力も仰ぎ「井戸5本+水処理プラント2系列」を導入しました。
新工場では、ミズカラ株式会社が提供する従量サービス契約を締結。新たなシステムの導入と契約の見直しにより、一般的な上水道料金と比較して年間8000万円以上(削減率70%)のコストダウンになる見通しとなりました。
水道料金の低減に加え、製造羊水として上水道以外の水源を持つことにより、非常時における断水対策も実現。災害発生時の工場復旧までのスピード化も期待されます。
参照元:ミズカラ株式会社公式HP(https://atss.co.jp/cases/005/)
昭和23年に創業した即席麺・乾麺などの製造を行っているヤマダイ株式会社。業務効率化の取り組みを少しずつ進めてはいたものの、各種検査項目におけるアナログな作業が現場作業の効率化を妨げる要因となっていました。
そこで同社では、製造現場における紙ベースの削減を実施。各工程のデジタル化を進めるとともに、現場へのWi-Fi導入も行うことで、情報の迅速な共有化と管理の一括化を図りました。
結果、目標を104%としていた生産性向上率は105%と目標を上回る見通しに。現場の人数には変更がなかったことから、目に見える業務効率化が実現しました。現場での1日あたりの削減作業時間は約43分(見込み)と、業務効率化と同時に作業員の工数削減にも貢献しました。
参照元:農林水産省「食品製造業の生産性向上事例集」(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/soumu/attach/pdf/seisansei-7.pdf)
1日に約800トンもの上水道を使用していたという食品関連メーカー。莫大なコストがかかる水道代に悩んでいたものの、食品関連メーカーという背景から排水の再使用が難しく、適切な方法を見いだせないまま全ての水を排水として処理していました。
相談を受けた某・産業機器商社は、RO膜(逆浸透膜濾過)システムを導入することで、排水の再利用基準をクリアして水を再利用するよう提案。中近東や東南アジア、オーストラリア、欧米などで海水を真水にするために利用されているシステムです。
導入した結果、今まで排水処理をしていた水の約70%が再利用可能な基準をクリア。工場の水道代の大幅な節約を実現しました。
設備投資に要したコストは、システムの稼働後、水道代の節約分から数年間で回収できる見通しです。
参照元:株式会会社前嶋公式HP(https://www.maejima.co.jp/solution/case11/)
続いて、食品工場においてランニングコストを削減するためにはどのようなことができるのか、という点について考えてみましょう。ここでは、ゾーニングや従業員の動線について考えること、また空調設備に関するポイントを紹介していきます。
まず、工場の中を適切にゾーニング化することと動線を最適化するという点がポイントのひとつとなってきます。この部分を意識することによって入出荷を効率的に進められます。さらに、無駄なスペースがなくなることから、ランニングコストを削減するといった点に繋げられるという点もメリットといえるでしょう。
空調設備は従業員が快適に作業を進めるためには非常に重要な点となってきます。しかし工場の場合には毎日空調設備を利用する際には日々の電気代は非常に大きなものになります。このことから、どの部屋にどのような設備を導入するのか、という点について検討することが、トータルの電気代に大きな影響を与えるといえるでしょう。
また、どの機器を導入するかといった点のほかにも、設定温度や風量などによっても電気代が大きく変わってきますので、適切な空調設備の設定を行う必要があります。
上記に挙げた点以外にも、食品工場のランニングコストを削減する方法にはさまざまなものがあります。例として、工場で出る排熱を再度利用することによってランニングコストの削減を目指せますし、照明をLEDにすることによって電気代を削減できます。そのほか、事業ごみの削減方法や再利用できる方法の検討にも取り組んでいきたいところです。
神戸にある大型ケーキ工場。劣化が早いケーキを取り扱う工場ということもあり、工場内の空調を万全の体制としていたものの、その電気料金の高さには頭を悩ませていたようです。
電気料金の節約のため安易に冷房機能を抑えた場合、商品の品質だけではなく、作業者の労働環境の悪化にもつながりかねません。高い電気料金に関しては、必要経費として諦めざるを得ない状況だったようです。
そのような状況の工場に対し、株式会社HRは自社サービスのエコミラを提案。エコミラは、「室外機」「室外機+換気扇」「換気扇」のいずれかを自動制御する形で、ムダに消費している電力を削減する画期的なシステムです。
導入の結果、工場では年間106万円もの電気料金削減を実現。食品の品質にも作業者の労働環境にも一切影響を与えないまま、電気料金の削減に成功しました。
参照:株式会社HR公式HP(https://ecomira.co.jp/target/factory/food-factory/)
食品製造工場のA社。工場内には熱を発する機器が多いにも関わらず、食品への異物混入を防ぐためには窓を開けるわけにいきません。夏場における工場内の熱さ対策や陽化対策は、工場の大きな悩みとなっていました。
相談を受けた昭和電機株式会社は、気化熱利用空調システム(外気を冷やして工場へ取り込むシステム)の導入を提案。外気を取り込むだけのシステムなので大きな電気代はかからず、空調のランニングコストを抑えながら導入できる一石二鳥のシステムでした。
導入の結果、夏場でも工場内の快適な環境の維持を実現。空調コストを約10%ダウンさせることにも成功しました。
参照:昭和電機株式会社(https://www.showaelc.co.jp/energy-saving/list/2018-02-07/)
神奈川県にある菓子メーカーのファミール製菓株式会社。製造工場で使用する電気・ガス・水道のコスト削減を図るため、三菱電機の提案により同社の省エネデータ収集サーバをはじめとした複数のシステムを導入しました。
導入に先立ち、消費電力のピーク分析などを通じた工場全体での最適化イメージを設計。設計に従い、電気・ガス・水道の消費量を見える化し、工場全体でコスト節約に向けた取り組みを行いました。
システムを導入してから5年。工場では大幅なコスト削減を実現できたとのことです。
参照:三菱電機公式HP(https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/our-stories/079/index.html)
ここまで、合理的な工場を作るポイントやランニングコストの削減について紹介してきました。工場の中ではさまざまな部分を工夫することによって経費の大幅削減が可能な場合もあります。ぜひどのような部分を工夫・改善できるかを考えて、コストの削減を目指してみてはいかがでしょうか。
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