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【スピーディーで高品質な解凍】低温高湿解凍機

ここでは、生鮮食品工場などで広く導入されている低温高湿解凍機についてご紹介します。

低温高湿解凍機とは、庫内の温度を低温に維持したまま水蒸気の「潜熱」の力で食品を解凍する機械。スピーディーかつ高品質な解凍が特徴で、特に魚介類や畜肉などのブロックを解凍する際には重宝される解凍機です。

低温高湿解凍機の特徴、解凍の仕組み、メリット、導入の注意点などについて見ていきましょう。

低温高湿解凍機の特徴

低温高湿解凍機とは、低温の蒸気を利用して食品を解凍していく解凍機です。

一般家庭では、冷凍刺身ブロックや冷凍肉を冷蔵庫の低温でゆっくり解凍すれば、冷凍前に近い良質な解凍となることが知られていますが、この解凍方法では時間がかかり過ぎるため食品工場の量産には向きません。

一方で低温高湿解凍機の場合、低温解凍のメリットを活かしつつ水蒸気を食品に結露させることで、解凍の迅速化を実現。スピーディーかつ高品質の解凍食品を生み出すことが可能となります。

低温高湿解凍機の対象となる食品は、築幾や魚介類などの生鮮食品のほか、調理炭の惣菜や弁当、ケーキなど実にさまざま。品質を安定させながら素早く解凍させたいあらゆる食品の解凍に適しています。

低温高湿解凍機の仕組み

「潜熱」という熱エネルギーを利用し、凍った食品を解凍していく仕組みです。

潜熱とは、物質が固体から液体、液体から気体などに変化する際に必要となる熱エネルギーのこと。相対湿度が100%の水蒸気が水へと変化する際に生じる潜熱は、凍ったものが溶けだす際に生じる潜熱よりも大きく、かつ水蒸気の温度を30~40度と一定に保つことができることから、食品解凍に欠かせない「ムラのない解凍」が実現します。

低温高湿解凍機のメリット

スピーディーにムラのない解凍ができる

水蒸気を食品に結露させるという特殊な技術により、解凍スピードの迅速化を実現。また、解凍機の中は低温状態にして風量や風向きの調整ができるため、ムラのない高品質な解凍が可能となります。

あらゆる冷凍食品に適した解凍機ですが、とりわけ畜肉や魚介類の解凍にはその特長を十分に発揮します。

ドリップの発生を抑制する

低温高湿解凍機の大きな特徴の一つが、文字通り「低温」で解凍すること。一般家庭でも、低温の冷蔵庫で刺身ブロック等を解凍した場合、ドリップの少ない良質な解凍を得られることはご存じかもしれませんが、低温高湿解凍機もまた、ドリップの発生を抑制して高鮮度の状態に食品を解凍することができます。

ドリップを抑えながら解凍することで、食品の風味や見た目が良くなるだけでなく、微生物の繁殖を抑制することもできます。

ランニングコストが低く経済的

低温高湿解凍機の主なランニングコストは、基本的に加水補給するための水のコストと電力代のみ。汚水の処理費用はかからないため、他の多くの解凍機に比べると、ランニングコストを低めに抑えることが可能です。

現場で長期的に活躍させればさせるほど、コスト削減の恩恵が大きくなっていきます。

低温高湿解凍機を取り扱う際の注意点

やや広めの設置スペースが必要

高性能・高品質な低温高湿解凍機ですが、その性能の高さを維持するためには、本体サイズを大型にせざるを得ない事情があります。他の業務用解凍機に比べて極端に大きいわけではありませんが、実際に導入する場合には、ある程度余裕のある設置スペースを確保する必要があるでしょう。

既存の工場内にスペースを確保できない場合には、工場内の各設備のレイアウトを大きく変更したり、別途で設置スペースを増設する必要があるかもしれません。

イニシャルコストは高くなる傾向あり

迅速かつ高品質な解凍を行うハイスペックな解凍機である以上、他の一般的な業務用解凍機に比べ、イニシャルコスト(初期費用)は高めになる傾向があります。導入にあたっては、高いイニシャルコストに見合う生産性が見込めるかどうかを、しっかりと検討する必要があるでしょう。

ただし上述の通り、低温高湿解凍機はランニングコストが低めです。長期間の使用を前提とすれば、高いイニシャルコストを均(なら)すこともできるでしょう。費用面よりも、「本当に自社に低温高湿解凍機が必要かどうか」という視点を重視したほうが良いかもしれません。

スピードと品質を求める食品工場に重宝される解凍設備

低温高湿解凍機の特徴、仕組み、メリット、注意点について詳しく解説しました。

食品工場の要ともなる「スピード」と「品質」を兼ね備えた低温高湿解凍機。食品工場としての信頼を広げるための1台として、とりわけ魚介類や畜肉の解凍工場では重宝される設備となるでしょう。

業務用解凍機の新規導入をお考えの方は、ぜひ低温高湿解凍機も導入候補の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

食品工場の設備・設計・
エンジニアリング会社は
工場の規模で選びましょう

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